2887．妖怪

現代で妖怪を作るとしたら



おおよその妖怪は子供に言い聞かせるために出来たとされています。
「ドアを閉めないと覗き込む妖怪がいる」とか
「車両事故の怖さを語るてけてけ」とか。

今日において生活様式は変わり注意するべき事項も増えました。
となれば新しい妖怪というのも出来てくるのではないでしょうか。
という訳で一つ作ってみようか。




「えすふとさん」


駅やデパートにエスカレーターあるじゃないですか。
あれですね、最近は「両側に乗りましょう」って言うじゃないですか。
それってなぜだか知ってますか？

出たんですよ。
片側が摩耗しきったことによる事故で亡くなった子供が。
皆さんが左側に乗るせいでね、急停止し"下"へと頭を打った子が。
そのエスカレーターは停止になったのち、
現場検証を経て今もなおそこで動き続けている訳ですが。


出るんですよ、子供が乗った時に。


子供が左側に乗った時に。
突然ね、ガクッと左手が重くなるんですよ。左のベルトに手をつけていると。
ふとそこを見るとね、子供のような霊が座ってるんです。
子供は当然泣き出します。けれど親はそれが分からない。
引き剥がそうにも重たくて動かず、そのまま終着点にまで向かってね。
ぐるっと引きずり込まれるんですよ。そう、エスカレーターの"下"にね。
急に姿を消した子供を、親は気づかぬまま降りていくのです。
しばらくした後「迷子になっちゃったのかな？」と探し始めるのですが
"下"に行った子が見つかったことは、いまだに無いそうです。





エスカレーター＋レフト＝えすふとさん
ここからもうちょっとおどろおどろしい描写を足せばたぶん使えると思います。

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