1212．スカイ木

「クソ、何かあるはずなんだ！120cm程度の長さを埋めるための何かが！」





被疑者の身長は160cm、そしてここから天井までの高さは約2.8m
このトリックを発動させるためには天井をつつく必要があるのだが
先ほどの数値の通り、120cmの差がある。
被害者発見時刻には多少のズレがあり、その間に何かを隠したと思われるが・・・






「ダメです！ここはお土産用の荷物置き場として使われていたため
　提灯やペナントばかりで棒状のものは一切見つかりません！」


被害者は旅行に行った際には必ずお土産を買っていた・・・
日記によると最近行ってた場所は・・・
もし、この場にあるとするならばおよそ1m以上のお土産・・・？


そうか！



分かりましたよ、＊＊君。
1mの差をピッタリ埋めるものの正体が。


「どういうことですか！？警部」


被害者は最近東京に出ていました。
そして、ある場所を見に行っていたんです。それも最近有名になったばかりのあそこに。

「それは一体・・・？」

東京にあるでしょう。333m、いや、634mのアレが。


「まさか・・・東京スカイツリー！？」

そうです、調べてもらった結果によると1/700という模型が出来ているそうです。
お値段は3万近くと値は張りますが・・・お土産用にわざわざ倉を用意するほどの
被害者にとっては簡単な値段でしょう。


「しかし、1/700とは・・・」


スカイツリーの高さは634m。
それは1/700であればちょうど90cmになるのですよ。
実物が無いので確証は出来ませんが
これを持ちながら腕を伸ばせば天井までじゅうぶん足りるでしょう。



「警部！」


はい、どうしましたか？

「近所の公園から、警部の言った通り1/700のスカイツリーがはみ出ているのを
　鑑識が発見したそうです！」


それではその模型のてっぺんを鑑定してみてください。


「警部！犯行に使われた部屋の天井と同じ素材が発見されました！」




それでは、あとは刑事課の仕事ですね。
私達はおいとまするとしましょう。




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「しかし、気になることがありますね」

何でしょうか



「犯人はなぜ犯行に使った模型を隠滅しなかったのでしょうか」


そうですね、何とも言えませんけどもあの彼もまた



スカイツリーを心待ちにしているからでしょうね。





アバウト探偵　第25話　　～1mの空白に隠された空の橋立て～　　完

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この1/700の模型を見た瞬間に何かのトリックに使えそうだなあとか思った。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B005ED3PCI/himasoku1230e-22/ref=nosim/

あとスカイツリーに特に興味は無いです。



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